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タングステン化合物
タングステン(W)は高融点金属として知られるのみならず、多様な化合物を形成し、種々の工業プロセスにおいて優れた熱的・化学的安定性を提供します。

特長
高い耐熱性と多様な化学的特性
タングステン(W)は原子番号74の遷移金属元素で、純金属中最高の融点(約3422 ℃)を持ち、硬さ・耐熱性・耐食性に優れた金属です。鉄マンガン重石や灰重石として産出し、フィラメントや超硬工具をはじめ、金属としての利用は勿論のこと、化合物として広範な工業用途に活用されています。モリブデンとは化学的な類似点が多く、主に酸化数+6の状態で安定な酸化物や酸を形成し、水溶液中では多様なポリ酸構造を形成します。
先進的機能と広がる応用
タングステン化合物は、工業においては主に硬質材料や石油化学分野、光学・電子材料分野で活用されています。パラタングステン酸アンモニウム・メタタングステン酸アンモニウムが触媒用原料や金属原料に用いられるほか、半導体的性質を持ち、電気化学的特性や可視光応答性に優れる三酸化タングステンが、近年特に注目を集めています。電子材料としての利用に加え、電圧印加により可逆的に色が変化する性質(エレクトロクロミズム)を持ち、調光ガラスやスマートウィンドウといった、エネルギー効率の高い建築材料としての応用が進んでいます。
このように、タングステン化合物製品は、その特異な化学的性質を活かし、次世代の環境・エネルギー技術を支える材料として期待されています。